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鷺ヶ森の家、上棟!

鷺ヶ森は「サギガモリ」と読みます。鳥のサギです。
敷地の西側は傾斜地で林になっており、その下を川が流れています。
その昔、この林にサギが沢山住んでいたのかもしれません。
この家は敷地探しからお手伝いさせて頂きましたが、この敷地の決めてとなったのは「空が開けているから。」でした。

さて、この、連日の猛暑の中、上棟しました!
現場の大工さん達には頭が下がります。

シートが掛かっており良く見えませんが、自分史上始めての方形屋根です。
方形屋根自体は珍しくないのですが・・・、今回は屋根を支える柱がないこと、小屋組みを現しにして屋根上で断熱すること。
この2点の難易度が高かったです。

まずはこちら。

小屋組みのてっぺんにある柱が途中でぷっつりと切れています。
「屋根がつぶれそう」と不安に思う方もいるかもしれませんがご心配なく。
ボール紙等で四角錐を作ってみればわかるのですが、辺がちゃんと接着してあれば上からの力でもなかなかつぶれません。
木造の小屋組みの場合は、隅木(四隅から屋根頂部に登る小屋梁)の足元が広がろうとする力を桁が引っ張られることによって止めています。
それが4面集まることで力が相殺されて安定すると言う訳です。
この小屋組みはプレカットでは難しかったので、大工さんが手刻みしています。

次に屋根上での断熱。
なぜそれが難しいのか?
今回は屋根の上にフェノールフォームを15cm敷き込みます(高性能グラスウール285mmと同等)。
壁は柱間に充填断熱。
壁と屋根で断熱ラインが内外と分かれるので、防湿層(気密シート)を連続させるのが難しいのです。
そして、一般的に方形屋根は桁の上に垂木が乗り、垂木と垂木の間を面戸板で塞ぎますが、これは木が収縮するとすきま風が入ってくる程度のもので、気密にはほとんど貢献しません。

なので今回はこのように。

桁を屋根勾配なりに加工し、

組んだ上に気密パッキンを貼って、構造用合板を貼っています。
構造用合板の透湿抵抗は高く水蒸気を通しにくいので、壁の防湿層と屋根の防湿層がこれで連続します。
ただし、この上に乗る化粧と通気のための垂木の加工が複雑で難しかったのですが、そこは大工さんの腕でカバー。

上棟式は来週始め。
工事の安全祈願をし、暑い中がんばってくれた大工さんの労をねぎらいます。

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