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リプラン東北に掲載中!

本日(1/20)発売の東北に私のした一関の古民家再生が掲載されています。
しかも、表紙まで!
取材にご協力頂いたお施主様、リプランスタッフの方々、写真家の西川さんありがとうございました。

一関の古民家は築約150年、幾度かの改修を経て内部は原型はとどめていませんでしたが、調査の時に小屋裏に潜ってみると太くて真っ黒な梁や大黒柱がありました。
この家を建て替えではなく改修したいと言ったのは意外にも若夫婦でした。
そんな思い入れのある家のかつての姿を再生しつつ、現代の暮らしに合う様にしました。

現代の暮らしに合う様にというのは、設備などだけでなく断熱性能の強化です。
この家は、「冬の朝起きると部屋の中が氷点下だった。」というくらい寒い家でした。
東北などの寒冷地では寒いからと言う理由でまだ住める立派な民家が沢山壊されて、建て替えられています。
その地に数百年建っていれば、その家はもはや地域の景観の一部な訳で、そう言った家を簡単に壊すのはどうかと思います。
そのような家は新しく建て替えても景観になりうるようなものを作るのは難しい。
そこで、外観は既存の外観を踏襲しつつ、断熱改修を行いました。

詳しくはリプランに書いてあるのですが、延べ床面積80坪以上のこの家を全面的に断熱改修するのは的にも難しいので、日常的に使うスペース(リビング、ダイニング、水回り、寝室等)だけを、家の中にもう一つの家を作る様にですっぽりとくるみ(もちろん防湿もして)ました。
このことで、寒い場所を通らずとも日常生活が完結する様になりました。
この家の工事が終わったのは冬だったのですが、お施主さんのお母さんが「ほんとに暖かくなって、夜トイレに行くのが楽になったねー。」と言っていただけたのがもっとも設計者冥利に尽きます。

古い家にお住まいの方、壊して新築だけが快適さへの道ではないんですよー。

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