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お日様を入れるか?入れないか?


東北地方も桜が散り、ようやく春です。
春とは言っても東北の4月はまだ寒い日も多いのです。

私の家である「八幡(スキップするトンネルハウス)」は、初めての冬を過ごしましたがとても快適でした。
室温は概ね20℃〜23℃くらい。
主暖房のは夕方から火を入れて、ほっておくと深夜には火が消えている。
朝起きると蓄熱壁のコンクリートがまだほのかに暖かい、と言った感じ。
朝方の一番冷え込む時間だけ床下を設定温度20℃で運転してバックアップとしました。
お日様が南に回ると、冬の低い太陽は部屋の奥まで入り熱となるので、ほぼ無暖房で夕方まで過ごせます。

しかし、春先は太陽に素直なの家にとっては、実は難しい時期となります。
外の気温が高くなると従来の家であれば家の中も暖かくなりますよね?
ところが、断熱性能が高く、日射コントロールができている家は写真の様に窓のほんの少し室内側までしか日射が入りません。
ですので、無暖房だとかえって外より寒くなることがあります。

それはなぜか?
意外に思われるかもしれませんが、本日4月29日の太陽高度はお盆のそれとほぼ同じ。
GW前の東北はまだ少し肌寒いくらいですが、お盆と言えばまだかなり暑さの残る時期です。
その時期に日射を室内に入れてしまうと、熱を溜め込み灼熱地獄になってしまいます。
ですから、そのような時期は庇や軒の出で影を作り日射が室内に入らないようにするというのが設計の基本です。
酷暑期に合わせて日射コントロールしているために、同じくらいの太陽高度である4月末は日射が入らず室内の温度が上がりにくいのです。
これは非常に悩ましい。

良くあるまちがいは、夏至の南中高度に合わせて日陰ができるようにする設計です。
夏至は6月20日頃、この時期の東北地方はまだそれほど暑くありません。
その後、秋分の日に向けて太陽は低くなりはじめ、外気温も上がります。
なので、日射遮蔽は最も暑い時期に室内が日陰になるようにするのが正解と言えるでしょう。

ただ、前述の様に春先のジレンマがありますので、実際には軒庇だけで完全に日射をコントロールするのは難しいのです。
それを完全にコントロールしようとするとのようなものでコントロールすることになります。
これはこれで繊細なコントロールができるのですが、値段が高い、機械部分の耐久性が心配、よほど上手く外観デザインに組み込まないとかっこ悪いなどの課題があります。

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