BLOG

動物病院地鎮祭


1年ほど前から打ち合わせを進めていた併用住宅の地鎮祭が執り行われました。
ご両親の自宅を解体し、同じ敷地内にある動物病院を営業しながらの工事となります。
何度も訪れた築40年ほどの家があっという間に解体されて更地になっていたのには少し寂しい気もしました。
せめて前に建っていた家に恥じないような建物にしなければ!

地鎮祭当日は梅雨明けの猛暑でしたが、テントと椅子のおかげでそれほど大変ではありませんでした。
思えば、今まで小さい住宅が多かったので、テントの下で行う地鎮祭は初めて(2回目くらいか?)だったかもしれません。
1年と少し前、動物病院の先生からご連絡いただき、打ち合わせを重ねてようやくここまで漕ぎ着けました。
島史上最大の規模なので少々ビビっていますが、小さいことの積み重ねというのはこれまでと変わらないはずなので、着実に現場を進めていきたいと思います。

動物病院の設計はこれが2回目です。
1度目は市のK動物病院でした。
この時は診察の様子を見せていただいたり、医療機器の用途や使い方などをお聞きしてリサーチしました。
獣医の先生たちが排泄による汚れと匂い、逃走防止などに気を使っていることもこの時知りました。
今回は前回のそういった経験を生かしたいと思います。

今はあちこちで見かける動物病院ですが、動物病院の設計経験のあるは少ないようです。
首都圏には動物病院の設計専門の事務所もありますが、地元でとなるとその数はさらに少なくなります。
そんな中で以前の事例を見て指名いただいたのはありがたいことです。
動物病院部分だけでなく2世帯住宅も併用されているので、病院の使い勝手と住宅の快適性を併せ持つ建物にしたいと思います。
調べたわけではないので間違っていたら申し訳ないのですが、全国で一番エコな動物病院になるのではないかと思っています(当社比(笑))。
人間にとって快適な温熱環境はきっと動物にとっても快適なはず!

計画は1階の動物病院と2階建てのご両親世帯、病院2階の子世帯で構成されています。
病院部分と住宅のプライバシー、それぞれの世帯のプライバシーに配慮して小さな集落のように配置されています。
動物病院として珍しいのは、外待合が中にあるところです。
下の模型の楕円形に吹き抜けているところが外待合です。
他のワンちゃん猫ちゃんがたくさんいる待合室が苦手なコたちのための外待合は通常建物の外に設けられることが多いですが、この計画ではエントランスから待合室を通らずに入るを外待合としました。
これにより外待合での逃走を防ぐことができます(鳥は逃げるかも)。

また、中庭のシンボルツリーをはじめとする植栽によって無機的になりがちな待合スペースを動物たちも和むスペースにしています。
中庭は楕円形の吹き抜けの外側に屋根があるので多少の雨でも利用でき、待合室からその緑も見えます。
さらに、中庭の上は屋上になっており、2世帯が中庭の吹き抜けを介して適度な距離を取れるようになっています。

お盆明けから工事が始まります。
工事が始まったらまた現場をレポートしますが、完成は来年の春の予定です。

ページトップへ