エコハウスって何だろう?
少し前のことになりますが、環境、エコ系のコンテストのシンポジウムが二つありました。
一つは日本エコハウス大賞、もう一つは住まいの環境デザインアワード。
この2つを比較してみることで、私が講演でお話しさせて頂いた「エコハウスとは何か?」が見えてくると思ったので、ここで書いてみます。
写真は私が基調講演をさせて頂いたエコハウス大賞の懇親会での写真です。
(OZONEホームページより)
エコハウス大賞は、主に温熱環境とデザインの両立を評価するコンテストです。
エコという言葉からもわかる通り、ここで言う「環境」は地球環境を差していると考えて良さそうです。
住まいの環境デザインアワードの方は、私はシンポジウムに参加しておりませんので簡単に判断するのは危険なのですが、参加された方々からの情報を元にすると、どちらかと言えばデザインに主軸を置いているコンテストのようです。
住まいの環境デザインアワードのホームページを見てみると、やはりそのようです。
(ここから受賞作の写真を見ることはできないので、この情報をもとに検索してみました。)
一部には温熱やサスティナビリティについて語っている作品もありますが、ほとんどはそうではないようです。
デザイン重視と書きましたが、もちろん形そのものだけではなくそこに至るプロセスや考え方が優れている作品が選ばれている様に感じました。
なぜ、それを環境建築と呼ぶのかと言えば、日本語の「環境」という言葉には色々な捉え方があるためのように思います。
曰く社会環境、周辺環境、生活環境、経済環境などなど・・・。
開催概要を見ると、審査基準に「3.環境負荷の低減」とあるのですが、残念ながらそこはあまり評価対象となっていない様な気がします。
私にとって「環境」という言葉は、まず地球環境やその保全を意味します。
これは、私が建築を始める以前から環境問題に関心を持っていたのが影響しているためでしょう。
建築を始めてからは、建築家が設計する時には社会環境や周辺環境を折り込むことは当然のことであり、住む人の生活環境を考えることもまた当たり前と教えられてきたので、私にとってそれらは「環境」とわざわざ言うことではないと考えています。
ですから、私が「環境」という時には地球環境の保全、環境負荷の低減、サスティナビリティなどを意味し、その目的としての高断熱化、循環資源である自然素材の活用、さらにその結果として住まい手が得る快適さ、となる訳です。
そう考えると、地球にやさしい(というのも傲慢ですが)家が当たり前になれば、エコハウスという呼び名も無くなるのかもしれません。