高性能化のジレンマ
仙台環境建築勉強会に参加してきました。
そこでの議論について紹介したいと思います。
住宅の断熱性能を高性能化する利点については、自分もエコハウスと言われる家に住んでいるので理解できることばかりです。
太陽だけで暖房できる、家の中が暖かいと寒い日に外に出るのが逆に気持ちいいなどなど・・・(暑い季節に書いてもピンと来ないかもしれませんが)。
一方、極限まで性能を追いかける時に生じるジレンマというものもあると感じました。
例えば、北側に景色が広がっていてそちらに大きく開きたい時に大きな窓を付けたいのだけれど、それだと熱損失が大きくなるのでどうしようとか、熱が逃げる外皮の表面積を少なくするために単純な形になりがちだとか・・・。
「建築的」表現と断熱性能を両立する「デザイン」力が求められていると感じました。
意匠建築家(という分類の是非はともかくとして)は、やはり情緒的な部分を重視しますので取り込みたい風景があればそちらに開きたいし、形態的制約からは自由でありたい。
私もその想いはわかるのでこれはとても悩ましい。
それは、「日本車は壊れにくくて性能もいいけど、なんかつまんないんだよねー。」といいつつ普段使いに日本車との2台持ちしている古い輸入車オーナーの気持ちと似たものがあるように思います。
ただ、家を二件持つのは普通の人には難しい。
住宅はやはり人が住むための建築ですので、性能を満たしつつも情緒的な部分も掬い上げるというのが性能と意匠を両立するエコハウスの今後の課題になると思います。