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荒巻の家 プレゼン

は大学のキャンパスや研究所などがある青葉山の上に計画中です。
住宅地のすぐ近くに散策路のある森林やゴルフ場があり、とても自然環境に恵まれた土地です。
そのような場所で定年を迎えるご夫婦の終の住処を提案しました。
敷地は東側にゴルフ場のグリーン、南側に竹林の好環境。
悩ましいのは、南側の竹林の背が高すぎて冬期間の日当りが悪いことです。

プランはこれからのことを考えてとし、成人したお子さんたちがたまに来た時のためにロフトを設けました。
山の上は平地よりも雪が多いので屋根のあるカーポートとしたので、雨雪に濡れずに玄関へアプローチできます。

平屋は一般的に2階建てよりも基礎面積、屋根面積が増えるため割高です。
それを見越して、延べ床面積は25坪程度とコンパクトにまとめました。
ただし、数字の上ではコンパクトとは言え、リビング、ダイニング、和室と一体になり、完全に引き込み出来るを開放すればまで視線が広がりまったく狭さを感じさせません。

もちろん、南側の窓は竹林を借景として取り込み、東側のコーナー窓は朝日を気持ち良く取り込みつつゴルフ場のグリーンへと開きます。
玄関〜シュークローク〜食品庫〜へつながり、回遊できる動線も行き止まりがなく、広さを感じさせる工夫の一つです。

外観は自然の多い周辺環境に溶け込み、流行に左右されない普遍的な家型。
大きく緩やかな屋根の軒を低く抑えることで落ち着いた町並みを形成します。

は杉板貼りと仕上げの組み合わせ。
木の外壁はしばしば「腐りませんか?」と心配する方がいらっしゃるのですが、結論だけ言えば巷で最も一般的な窯業系サイディングよりも耐久性が高いです。
しかも、自分で塗り替え可能で廃番がありません。

さて、平屋で心配なのは、先に書いた南側の竹林によって冬の間1階が日陰になってしまうこと。
ここで、一度窓の役割をおさらいします。
窓には光の窓、風の窓、眺望の窓の3つの役割があります。

眺望の窓は竹林とゴルフ場に向けて開いています。
風の窓も随所に小さな窓を設けて、季節のいい時には風が気持ち良く通り抜けるように考えてあります。
しかし、1階の窓からは直射日光が入らない。
このブログでも時々書いていますが、冬の太陽は無料の暖房器具です。
直射日光が入らないということはそれが利用できません。

そこで考えたのは、熱を取り込めるのはなにも窓だけではないということです。
1階に光が当たらないのならば、屋根面で熱を集めれば良い、ということで、屋根の上にビオソーラーを乗せることにしました。
ビオソーラーは簡単に言うと箱形の温室のようなもので、そこで暖めた空気を室内に送る空気集熱式のソーラーシステムです。
晴れた日中はビオソーラーで床下に暖気を送り、天気の悪い日や夜は床下の1台で全館暖房するという計画です。
では、おどろくほどわずかな熱で暖房ができてしまいます。

さて、自分ととしてはこのファーストプランがベストだと思っていますがどうなるか?
プランニング中はいくつものパターンを検討します。
その中で諸条件が上手く統合され、最もまとまったものをファーストプランとして提案しているわけですので、ファーストプランがベストプランなのは当然と言えば当然。
決して平面だけで間取りを考えているわけではなく、そこに掛かる梁や柱の組み方、屋根や壁の断熱の断面構成、設備や素材、そしていつも工事金額にびくびくしながらプランニングしています。
しかし、自分ではそう思っていても実際形にして提案すると、今までお客様自身が気がつかなかった潜在的欲求に気がついたりして、ファーストプランそのままで完成することはあまりありません。
そうやってボツになったプランによって自分のプラニングスキルが鍛えられた来たというのは、ちょっとした皮肉でもあるのですが・・・。

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