青葉山の家 工事中
地鎮祭の記事を書いてから現場の状況を書いていませんでした。
以前「荒巻の家」としていたのと同じ家です。
敷地は東北大学や宮城教育大学のある青葉山のてっぺんにあります。
周囲には青葉の森の散策路やゴルフ場がありゆったり暮らすには良いところです。
買い物は少々不便ですが・・・。
クライアントは定年後のご夫婦で、平屋を希望されました。
最近、平屋が流行っているようですが、世間のイメージとは裏腹に平屋は2階建よりも工事費がかかることが多いです。
なぜなら、同じ床面積であれば基礎の面積も屋根の面積も増えてしまうから。
この青葉の家は完全な平屋ではありません。
成人されたお子さんたちが来た時のための部屋など予備的な部屋は2階としています。
このように屋根裏部屋的な感じです。
その代わり普段のご夫婦の生活は、1階で完結するようになっています。
外観は3寸勾配切妻屋根の平屋に見えます。
ですが、実は2階部分にガルバリウム鋼板で包まれた小さなボリュームが乗っています。
足場の上からちょっとだけ見えています。
こちらは道路と反対側。
階高はかなり抑えられており軒がとても低いのがわかります。
ジャンプしたら届くくらい。
1階部分は全て杉板貼り。
今まさに大工さんが貼っているところです。
杉板はウッドロングエコで塗装することが多いのですが、ウッドロングエコを塗ると初めから古びたような色になってしまいます。
これは好みが分かれるところ。
その雰囲気も好きなのですが、今回は軒の出も十分にあり木の素地の色も楽しみたいので、経年変化を楽しむということで無塗装としました。
生物材料ですので、年を取らない人が妖怪のように思われるのと同様やがて色は黒ずんできます。
今時はそれをカビだ腐れだとクレームにする人も多いので、不特定多数を相手にするハウスメーカーは絶対にやりません。
しかし、冷静に辺りを見回してみると、数十年は塗装などしていなそうな古い民家の木の外壁は黒くなってはいるものの腐ってはいないことに気がつきます。
逆に塗膜を作るタイプの塗料を塗った木の外壁は、雨の当たるところとそうでないところの差が大きく、塗装がガビガビになっていたりするのをよく見かけます。
現在、最も一般的な窯業系サイディングにいたってはもはやメンテナンス業者を儲けさせるための物としか思えません。
半永久的な工業製品のような顔をしてますが、実際には10年に一度100万近い塗装費用がかかり、安物買いの銭失いの典型と言えます。
1階は石膏ボードも貼り終わり、間も無く内装工事に入ります。
写真に写っているダイニングのコーナー窓は木製サッシで壁内に完全に引き込むことができます。
窓の向こうは隣のゴルフ場のグリーンです。
内装工事が終わると各種器具を取り付けるのですが、例の新型コロナウイルスの影響で住設機器の納期が遅れているようです。
生産拠点が中国だったりするからなのでしょうか?
完成したらオープンハウスをしたいと思っているのですが、クライアントの引っ越し日程もあるので難しいかもしれません。
こんなローカルな現場にもグローバリズムの影響が・・・。