東松島の家の外観あらわる
東松島の家の足場が外れ外観が現れました。
この住宅の外壁は初めて取り組むパターンでしたので、実は楽しみにしていました。
大小二つの切妻屋根が並ぶ姿は親子のようでかわいい。
遠目にはわかりませんが、外壁には30mm角の杉の角材をわずかに隙間を開けて無数に(3000本くらい?)貼っています。
ファサードラタン(すのこ貼り)と呼ばれる外壁です。
寒い中、文句も言わずにひたすら貼ってくれた大工さんには感謝です。
隙間を開けたら雨が入ってくるんじゃないの?
雨漏りするんじゃないの?
という方もいるかもしれないので、少し解説。
いまどきの家の外壁は外壁の下に水が入っても大丈夫なように防水シートというものを貼っています。
外壁とシートの間には通気層というものがあり(これ大事!)、通気層内に入った雨や結露水を速やかに排出し、空気の流れで乾かす作りになっています。
ただ、よく建設現場で見る白いシートではダメです。
よく工務店の名前なんかがプリントされている白いシートは紫外線に当たると数ヶ月でポロポロと劣化します。
隙間が空いているということは、紫外線も当たるので、紫外線劣化赤化しない強度の高いシートを貼っています。
それだけで外壁になるようなシートです。
実際、我が家の薪小屋の屋根にこのシートを貼って耐候性試験をしていますが、6年経った今でも劣化は見られず防水性を保っています。
今回はドイツ製のソリテックスフロンタクワトロという高耐久シートを使っています。
未だに木の外壁は腐りませんか?という質問をいただくのですが、木の外壁は環境が悪ければ腐ります。
しかし、常に濡れた状態にならなければ、そうそう腐ったりはしません。
よく7〜80年以上木の外壁の手入れをしていない民家を見かけますが、色は真っ黒になっていても朽ちていることは少ないです。
耐久性という観点で言えば、巷のほとんどの住宅で使っている窯業系サイディングの方が耐久性は低いです。
何しろそのほとんどは表面の塗装で保護しているだけで、10年に一度はわざわざ足場をかけて塗装とシーリングの打ち直しをしてあげなければボロボロになってしまいます。
外壁の水はすぐに縦に流れるので、雨水が溜まるウッドデッキのようにはすぐには腐りません。
というか、なかなか腐りません。
蜂の巣の材料になったりはします。
蜂が木の表面を少し齧って持って行ったりしますが、そのくらいは大目に見ましょう。
蜂が食べても安全な証拠です(笑)。
だいぶ脱線しましたが、ファサードラタンは隙間を開けて貼ることにより空気の流れが良くなり一般的な木の外壁よりもさらに感想が早くなり耐久性が上がるというものです。
人工的な建材でも同じようなことはできるのかもしれませんが、やはり自然の材料を使い職人が手をかけて仕上げたものには力が宿るように感じます。
それが人の心に訴えて長く愛される建築になればいいと考えています。
3月初旬に見学会を予定しています。
詳細は後日発表します。