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薪ストーブの話


寒くなってきました。
この季節になると火が恋しくなる方も多いのではないでしょうか?

島建築事務所の事例にはが入っているものが多いです。
それを見た方から、よく「暖房器具は薪ストーブがおすすめなんですか?」と聞かれますが、私自身は薪ストーブを積極的に勧めることはありません。
私自身も薪ストーブを使っているんですけどね。

その理由としては、一言で言うとやはり大変だからです。
薪の調達、煙突の掃除、それに当然ですが薪をくべなければ消えてしまう。

ホームページの事例で薪ストーブがある家はすべてお施主さんが自ら薪ストーブを希望された方です。
私が止めるのも聞かずに(笑)。
そういったお施主さんは、他の要望事項をこちらが聞く前に開口一番「薪ストーブを入れたいです。」と言います。
そこで、私は「大変ですけど覚悟はありますか?」と薪ストーブユーザーとしての自分の体験をお話させて頂き、それでもという方の家には薪ストーブを導入します。

よく「自然派」の設計者などが「薪ストーブだから暖かい」的なことを言いますが、薪ストーブの熱量は大きいので当然と言えば当然です。
ただ、自分で山を持っていて自分で薪を作る人にとっては安い燃料でも、乾燥した薪を購入すると結構いい値段がします。
私の自宅では1シーズンで2㎥の薪を使います。
この量で送料込みで6万円です。
私の自宅は小さいですし(延べ床面積23坪)、それなりの断熱性能(Q値1.4)なのでこの程度しか使いませんが、より寒い地域や断熱性能の低い家ではこれより遥かに沢山の薪を使うはずです。
1シーズンの薪代が10万円を超える事も珍しくないのではないでしょうか?

今私が作っている住宅であれば、正直で暖房した方が1シーズンの暖房費は少なくて済みます。
薪ストーブを希望されるお施主様には、そう言った話もさせて頂いているのですが、それで薪ストーブをやめる人はまずいません。
だって、薪ストーブが好きなんですから・・・。
そう言う意味では、限りなく趣味の道具に近い暖房と言えるでしょう。

ただ、だからといって週末だけ火を焚くというような使い方はお勧めしません。
週末しか使わないにしては本体と煙突の設置費用の100万円弱はずいぶんと高い趣味の道具ですし、火を入れずに冷えきった薪ストーブは家の中に氷の固まりを置いておくようなものだからです。

また、薪ストーブを使いたがるのは圧倒的に旦那さんが多いです。
男性は火遊びが好きなので。
奥様は現実的かつ忙しいですから「誰が薪をくべるの?」という顔をしています。
平日日中家にいない旦那さんはそこのところを良く考えて話し合った方がいいです。

もっとも、断熱性能の高い家では、晴れてさえいれば太陽の光を室内に取り込み暖かくなるので真冬でも日中は暖房を使わなくても良いことが多いです。
旦那さんは朝ちょっと早起きして家族のために薪ストーブを着けてあげる。
午前中はちょっとの薪で十分です。
夕方は早めに仕事から帰ってきて薪ストーブを着けましょう。
それって豊かな生活につながる様な気がします。

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